日本人的自然观8
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论日本人的自然观及其对我国环境保护的启示摘要:亲近自然,尊崇自然,敬畏自然是日本人典型的自然观,这种观念渗透于日本建筑、服饰、饮食、艺术、语言等各个方面。
通过对日本自然观的肯定,明确我国大气污染严重、水体污染仍存在威胁、室内环境污染严重、森林灾害严重和外来物种入侵的现状并提出加强环境保护意识、节能减排,优化废弃物处理方式和发展循环经济的保护策略。
关键词:自然观;日本庭院;和服;日本料理;节能减排;循环经济;可持续发展日本是位于亚洲大陆东侧的一个岛国,共有6800多座岛屿,北海道、本州、四国、九州和冲绳是其主要岛屿[1](p2)。
温暖湿润、四季分明的气候为渔业及水稻种植业带来了便利,也使日本人祖祖辈辈与自然生活在一起。
美丽的自然环境为日本人带来的恩惠和养育,使其对自然怀有深切的感恩。
但较多的自然灾害也使日本人感到自身的渺小,从而对自然充满敬畏。
因此,日本人逐渐形成了独有的对自然的领悟——如果没有大自然中的动植物,人类就无法生存。
人本身就是大自然的一部分,人与自然应该和谐共处。
亲近自然,尊崇自然和敬畏自然成为日本人典型的自然观。
一、日本人自然观的表现日本人一直与自然和谐相处,追求与自然的共存。
对日本人来说,与自然保持协调、保护自然远远比与自然对立、征服自然更重要。
这种自然观渗透于日本生活的各个方面。
(一)建筑日本庭院的设计主要突出自然景观的美,这种美并非自然本身的姿态,而是利用借景的手法搭配池塘、假山、树木和流水,并使用缩景手法,使其呈现出大自然原有的风貌。
这种设计将实景的所有精华凝缩在庭院中,力求在有限的空间和地面上再现大自然的本貌。
“枯山水”是现代日本庭院的灵魂---用石料寓意大山、瀑布,用白砂象征流水、河川、海洋甚至云雾[2]。
与西洋学中重视几何图形规则的美相对,日本庭院是将外部自然景观融入到庭院设计中的不对称的美。
日本的个人住宅多是独门独院,庭院中种满了灌木、花草和蔬菜。
为了与高温多湿的气候相适应,房屋多采用木质结构,柱子和地板也保留木头本身的颜色和木纹。
浅析日本人的自然观作者:陈雨潇来源:《北方文学》2017年第29期摘要:日本四面环海,四季分明,独特的自然环境让人们对大自然无比亲和。
顺应自然、融入自然是日本人自然观的核心。
自然观扎根于日本人的生活,体现在各个领域。
本文将从语言文学、饮食、传统文化等方面分析日本人的自然观。
关键词:自然观;日本;语言;饮食;传统文化日本虽南北狭长,但主要气候为温带海洋性气候,雨量充沛,四季分明。
优良的气候环境使得人们与自然的关系非常亲厚,从而奠定了日本人自然观形成的基础。
另一方面,由于日本群岛地处环太平洋火山地震带,频繁的地质灾害又使得日本人对自然既崇拜又敬畏。
日本人认为,人和自然是一个整体,人只是宇宙万物的一个种类,应与自然和谐共存。
人不需要征服自然,而应该顺从自然,热爱自然。
一、语言中的自然观日本人崇敬自然的心理也体现在语言上。
无论是日常寒暄,还是经典文学,天气,季节都是不可或缺的。
人们见面时的第一句寒暄往往和天气有关:“だいぶ春らしい気候になりましたね(已经很有春天的气息了)。
”、“すっかり秋ですね(秋意已浓)。
”在日本,想要写信给某人时,提笔首句便是季语:“阳春の候(正值暖春)”、“梅雨の候(正值梅雨)”、“猛暑の候(正值酷暑)”、“凉秋の候(正值初秋)” “極寒の候(正值寒冬)”。
日本独特的地理环境使人们对自然的变化极为敏感,一场大雨,一声蝉鸣,都能激起人们的心绪。
这些变化被日本人称之为“自然之声”,成为日本人生活中的永恒主题。
在得天独厚的自然环境中孕育成长的日本人,对美的欣赏和捕捉有着天然的敏锐。
在文学作品中,大自然的素材随处可见。
俳句作为日本传统文学的代表,除了每首俳句由17个音组成这一规则之外,每首都必须有一个季语。
短短的季语中,除了直观地体现其本质,还融合了作者的心境、美意识等。
《岁时记》中罗列了众多极具日本特色的季语,如:“水ぬるむ(水渐暖,意指春天到)”、“山笑う(形容春天山峦明朗的感觉)”、“風光る(风和日丽)”,有时相同的事物随着季节的变迁,也会产生不同的情趣。
近代科学与日本人的自然观与自然为伴,投身其中,与自然融为一体的这种日本人传统的自然观,和西方人的思想有着很大不同。
从西方人的观点来看,举个例子:吊桶已缠牵牛花,邻家取水去、像这样的俳句西方人是无论如何也作不出来的。
在他们看来,不但不会赞美这种高雅的情趣,反而会觉得自家的井又没坏,一大早到别人家去取水,不仅会妨碍别人的生活,作为市民也是不合格的。
日本的自然观是在日本独特的美文化和生活习惯中孕育产生的。
这与在近代科学中发展产生的自然观有着巨大的差异。
从地震学的历史角度来看的话这点就不难理解了。
自古以来这个国家就发生过无数次地震,但日本人从没有创造出地震学这一概念。
很早以前,鸭长明的《方丈记》中,就记述了火灾、地震、饥荒、瘟疫等自然灾害,作者在看透了人世间的荣枯盛衰与无常后,在远离人群的地方搭了个小草堂,选择了拥抱自然,寄情山水,的淡然人生道路。
他写下“只与丝竹花月为友”的诗句,选择了以音乐和自然为伴的生存方式。
当然,鸭长明的这种情况,一定程度上受到当时的佛教主张逃避的悲观人生观的影响。
但是这不仅表现了不断发生的自然灾害与人的联系,甚至其化解的方式也是在自然中寻找一种安定的心理,这是一种日本典型的人与自然的关系。
这种与自然之间的关系,直到明治、大正时期也基本没有什么变化。
夏目漱石的《草枕|》中的主人公为了在艰难的人世中活下去,到山里去寻找生路,据清水几大郎氏的说法,关东大地震时人们的反应,与鸭长明的思想有一定共通性。
房屋被烧毁失去亲人的人们,在地震平息后,坐在废墟上,看着日落西山,天空被染得一片血红的景象,心境竟变得安稳起来。
正如清水几大郎所写的,日本人在“毁灭的自然给予的救济”与“投身于自然的美”之间找到平衡,就是说,被大自然的暴力突然打倒的人们,会被自然美丽的一面所救赎,世间就是这样的不断循环的轨道中运行的,从这样的循环的观点中,自然是无法衍生出地震学的。
无论天灾袭来的多么频繁,“刚忘了上一次灾祸,有一次天灾发生了”。
日本:与自然共生来到日本的外国人,特别是西方人,常感叹日本绿色之多。
的确,日本国土面积约三分之二(66%)被森林所覆盖(联合国统计的数据为68 .2%),也就是说国土面积的七成都是森林。
日本的森林覆盖率在发达国家中仅次于芬兰,排在第二位,可以说在世界上也是屈指可数的森林大国。
值得一提的是,世界森林覆盖率平均约为30%,而中国仅为16%。
日本比中国同纬度的沿海地区更具备海洋性气候的特征,四周浩翰的海面就是巨大的天然空调,调节着日本列岛的气候。
就整体而言,日本夏天不很炎热,冬天也不太寒冷。
而且,除了夏冬两个较为难熬的季节,其他的8个月则气候宜人,温度变化舒缓,且富有规律性,催生了层次分明而又多姿多彩的自然景色。
但日本青翠欲滴的美丽风景,并不单纯是日本所属的温带气候造就的,还是日本人常年保护的结果。
在日本,以森林砍伐形式破坏自然的情况,至少到明治维新时期为止都没有发生。
这一方面是因为日本列岛是一块天然资源丰富的土地,另一方面也是因为日本自古以来就有珍惜自然、培育自然的文化。
由于生活需要,日本人也砍树,但并不只管砍伐,不管善后。
他们规定,必须认真植树,这些树木将作为地区共有的山林“里山”加以维护。
因为,种植水稻时,具有保水功能的“里山”是必不可少的。
日本把种植水稻放在农业的中心地位,在这个意义上,不能不保留森林。
另外,日本把古老的原始林称做“镇守之林”,是神圣的地区,禁止伐树。
在日本,神社一定建造在镇守神庙的树林当中,这不外乎因为日本人认为神灵栖身于森林之中。
日本人正是在与自然和谐共存的生活当中,孕育了独特的宗教观。
尽管时代在推移,但这种心理到了德川幕府时期也没有消失。
德川时期的江户人口达100万,是当时世界上最大的城市。
但是,据说像欧洲其他城市那样的卫生或染病问题,几乎没有在这里出现过。
最大的原因是,江户有一套完整的制度,能将城市生活中的垃圾和排泄物等进行再生处理。
进行不破坏自然环境的生活,这种观念已经理所当然地深入到了德川时期的日本人心中。
分析日本人的自然观-旅游管理分析日本人的自然观王华人要顺应自然,人对自然要非常亲和——这是日本民族自然观的最大特征。
得天独厚的自然环境培育了人们亲和自然的感情,它是形成日本人独特自然观。
日本人认为人世间的事情和自然界的万物完全一样,都是自然发生、自然发展、自然归结。
人类只有顺其发展、顺其变化,人类自人才能生存。
日本人的自然观表现在很多领域,比如文化、宗教、哲学思想以及语言等。
日本是一个岛国,有着美丽的自然景观和得天独厚的自然条件。
日本人自古以来就在固定土地上从事农耕稻作,在春夏秋冬四季分明的环境中生活,养成了完全顺从自然、同化于自然的习惯,不会把大自然看做是人类的对手。
虽然有时候会受到台风、地震和火山的侵袭,但日本人只是对其感到恐惧和敬畏,丝毫没有萌发语气斗争的念头。
这些也对日本人的生活方式和思维方式产生了很大的影响。
一、衣食住所表现出的自然观首先,日本和服多采用印花和色彩都很注意和自然的和谐,根据季节来选择和服的颜色和图案。
比如春天是绿意盎然、百花盛开的季节,嫩绿色和浅葱色就是和服的主色调,图案主要采用樱花等。
初夏,则选用棣棠色和藤色等,盛夏,穿着蓝色或绀色等颜色的单衣,图案多选用朝霞和百合等。
而且,和服采用了比较宽松的设计,和服的袖、襟、裾都能够自由开合,这一点真是为了适应适合日本这个典型的温暖湿润的海洋性气候。
除了和服之外,日本人的日常服装长期以来都是以棉麻类植物纤维作为服装的主要材料,比如说日本人平时穿的“浴衣”也是纯棉质地的。
其次,日本料理选用的材料也会注意根据季节来选用不同的食材。
春季吃鲷鱼,初夏吃松鱼,盛夏吃鳗鱼,初秋吃鲭花鱼,秋季吃刀鱼,深秋吃鲑鱼,冬天吃鲫鱼。
而且日本料理的烹饪特点:一是“生”,日本料理中很多菜以生吃为主,比如日本料理中的生鱼片。
二是少用调味料,重视食物本身的味道。
同时,做好的日本料理在装盘时也不会忘记自然。
它注重食物的自然颜色的搭配,配菜的装饰也突出季节的特点。
从森林文化看日本人的自然观摘要:日本全国面积的67%被森林覆盖,从古时候起就被称为“森林之国”。
日本人自古就认为人和自然是融合在一起的整体,二者没有明显的区别。
人与自然和睦共存是日本民族自然观最大的特征。
此外,历史上森林就同日本人之间有着密切的关系,因此,日本人自古也被称作是“森林之族”。
在日本文化的根基里一直蕴藏着在长期与森林共存的过程中形成的森林文化。
在这样的森林文化中孕育出的日本人的自然观,在推进国土保全和环境教育方面对日本产生了重大的影响。
关键词:森林文化自然观自然保护环境教育启示中图分类号:g640 文献标识码:a 文章编号:1672-8882(2012)02-032-02森林是大自然中所有生命赖以生存的源泉。
对于人类来说,森林不仅是一座巨大的资源宝藏,同时还是一个丰富的文化系统,承载了从古至今森林同人类共存过程中产生的所有的精神财富。
日本作为一个“森林大国”,在解决环保问题方面已有很多成功的经验,这对我国的森林保护及森林文化建设有一定的借鉴意义。
日本的森林由复杂的地形、温暖的气候以及多样的树种构成,约占日本现有国土面积的67%。
这些特殊的森林环境逐渐形成了日本庭院盆景式的自然风貌以及日本纤细独特的自然美景。
同时,在日本文化的根源也一直都蕴藏着人类与森林共存而形成的森林文化,这些文化中孕育而成的日本人的自然观,作为一种人类在与自然融合的过程中形成的独立的民族文化,在推进国土保全和环境教育方面对日本产生了重大的影响。
一、日本的森林文化及它的历史从森林覆盖率、人工造林面积、人工林率等角度看,日本算得上是世界上名副其实的“森林大国”,除了富士山顶之外,几乎所有的山麓都被森林覆盖。
经历了冰河时代到后冰河时代自然环境的激烈动荡,以日本列岛上大片榉树林的出现,标志着日本森林文化的正式诞生。
所谓森林文化,是以森林为背景,以人类与森林和谐共存为指导思想和研究对象的文化体系,森林文化是指人对森林(自然)的敬畏、崇拜与认识,建立在感激森林各种恩惠的朴素的感情基础上的,反映人与森林关系中的文化现象。
三江学院毕业设计(论文)报告题目日本人的自然观日语 系日语 专业学 号 B02111004学生姓名王玺指导老师赤崎郁义起讫日期 2006年3月— 2006年4月设计地点三江学院概要日本は狭い島国であり、自然に恵まれ、温和な自然条件を持っている。
その自然は日本人の生活様式やものの考え方に、多くの影響を与えてきた。
衣食住の方面だけでなく、文化や哲学、思想、宗教の方面も自然と切っても切れないものだ。
詳しく言えば、衣服の材料とか日本料理の調理法とか日本式の家屋の特色などは自然と関係している現われである。
日本は自然に恵まれているので、日本人は自然に対して親和的だ。
日本文化の特徴の中には、自然に親和的で情緒的、また淡白、簡素、素朴で、繊細な傾向が見られ、余情、空白を大事にし、アンシンメトリーや不完全の美といった人工的装飾ではなく自然と調和されたものを好む傾向がみられる。
自然の移り変わりへの細かい観察が行われ、自然への鋭敏な感覚を育み、それを基に、さまざまな芸術や生活習慣が生まれている。
「もののあはれ」や「幽玄」や「さび」「わび」などは日本人の美意識に関する言葉である。
水墨画とか、茶の湯と生け花、また日本舞踊とは和敬静寂、閑寂枯淡の情趣をもとにした芸術である。
自然と自分を一体化し、自然の心をわが心として生きる感情が、日本人の哲学、思想、宗教などすべての精神活動の根本に流れている。
その中で、古代人の信仰とか集団意識とか和の精神は全部、日本人の自然に順応した観念である。
この論文によって、日本人と自然との調和的な関係を示す良い例を挙げ、人類と自然の関係の危機に警告するつもりだ。
地球上の人類が自然と一体になることを願う。
キー·ワード:季節感 美意識 一体化 集団 「和」概要(中文)日本是狭小的岛国,受自然的恩惠,具有温和的自然条件。
自然对日本人的生活方式和思考方法产生了很多影响。
不仅仅是衣食住的方面,文化、哲学、思想、宗教方面也与自然密切相连。
详细地说来,衣服的材料、日本料理的制作方法、日本式的房屋之特色等等都体现了与自然相关。
由于日本受惠于大自然,日本人对自然很亲和。
在文化的特征中,可见其对自然的亲近、情绪化、淡泊、简朴、纤细的倾向,注重余韵和空白,不喜欢不对称不完全的美这样的人工装饰,而喜欢与自然相协调的东西。
对自然的变化进行细微观察,培养了对自然的敏锐感觉,以次为基础,产生了各种艺术和生活习惯。
「もののあはれ」「幽玄」「さび」「わび」等是与日本人的美意识相关的词汇。
水墨画、茶道、花道和日本舞蹈是以和敬静寂、闲寂枯淡为基础的艺术。
自然与自身一体化,把自然的心当作自己的心而产生的感情是日本人的哲学、思想、宗教等所有的精神活动的根本所在。
其中,古代人的信仰,集团意识和和的精神都是日本人顺应自然的观念。
这篇论文,列举出日本人和自然和谐的好例子,欲提醒人类与自然关系的危机。
但愿地球上的人类与自然融为一体。
关键词: 季节感; 美意识; 一体化; 集团; <和>日本人の自然観序論 ひとつの言語を勉強しているうちに、その言語自身から、その民族の特徴がすこしずつ分かってくる。
日本語を勉強することによって、日本人の特徴も見えてくる。
昔の日本人も自然に対する関係は現代よりもいっそう親密なものがあった。
日本人は自然が大好きで、心から自然に親しみを持っていた。
自然に恵まれた日本の人々は自然を大切にし、感謝の気持ちを忘れないで、自然との調和を求めていた。
自然は日本人の生活などのいろいろな面に恵みを与えていた。
これは人類と自然との関係の良い例である。
経済が急速に発展している今日は、人間が目の前の利益だけを見て、自然を破壊することが多くなってくる。
破壊し続ければ、自然はいつか人類に懲罰を与えるに違いない。
自業自得の結果を避けるために、今から注意しなければならない。
この論文を通して、人類と自然の関係の危機に警告するつもりだ。
『日本人の自然観』という論文から、日本人と自然との関係をはっきり知ることができる。
これから、詳しく紹介させていただきたいと思う。
本論日本の自然条件を見てみると、日本列島はユーラシア大陸の東の端に位置する島国である。
山が多く、地形も大変複雑である。
植生についてみると、旺盛な生産性と空間的分布にみられる多様性が著しい特徴である。
気候は全体的にみて、割合温和であり、雨量が多く、湿気も多い。
日本の川は短く、流れは急であり、水量は豊富で、水はきれいである。
特に強調すべきことは、日本列島は起伏が激しく、地形や気候の面でも変化に富み、自然に恵まれ、列島全体は緑の樹木に覆われており、特に厳しい自然条件はあまりみられないことだ。
つまり全体的に言って、日本の自然的条件はわりに温和である。
このような自然条件のもとに生活してきた民族と厳しい自然条件のもとに生活している民族とでは大きな相違がみられるのである。
日本列島の自然は日本人の生活様式やものの考え方に、どのような影響を与えてきたであろうか。
1.衣、食、住の方面 日本列島が、熱帯と寒冷地域との中間にあって湿潤であり、植物の繁茂に極めて適していることを指摘しなければならない。
日光は強すぎず弱すぎず、しかも年間を通して適度の降雨があり、地球上で最も植物の豊かな地域の一つである。
だから、日本人の生活は、昔からすべてにわたって植物への依存度が高かった。
家屋は木材を使って建てられている。
衣料では、麻や木綿のような植物繊維が甚だ重要な材料となっている。
食生活についても同様である。
農耕が日本人の暮らしの中心になったことも、その結果として当然であった。
衣服のことを思い浮かべてみよう。
衣服の材料のことはさきにも触れたが、ここではそれよりも、衣服に描かれている模様に注目したいと思う。
成人式や結婚パーティーなどに着用する晴れ着の場合が一番はっきりしているが、女性の和服に描かれている模様には、植物を図案化したものが圧倒的に多い。
また、衣服以外にも、ふろしきなどに、植物の模様がいろいろ使われている。
日ごろ何気なく見過ごしているこのような習慣を分析してみると、日本人は、年じゅう自分の身の回りに自然というものを置いて、それを楽しんでいることがわかる。
こんな習慣がごく自然に受け入れられているのは、日本人の心の中に、自然は人間を祝福してくれるものである、という気持ちが、無意識の前提としてあるからではなろうか。
だいたい人間は、本能的に、不愉快なものを身にまとおうとは思わないはずである。
水と植物、この二つは、人間の生命を支えるために欠くことのできない資源である。
これが豊かにあることは、日本列島が、人間の暮らしにとって、まことに恵まれた土地であることを示している。
また、日本料理といえば、主に日本文化の自然親和性の特徴が現れており、濃厚な人工的な味付けよりも季節に合ったもの(旬の物)、自然の味、鮮度、歯ざわり、色合い、形などがおもんじられている。
日本料理の調理法は、四季折々の材料を使い、その自然の風味を充分生かした味付けをしている。
さらに皿や茶碗など器の形、色や料理の盛り付けなどの美しさも、ともに工夫する。
住居について考えてみよう。
日本の家屋の特色として、戸外と屋内の区別が極めてあいまいであることが挙げられる。
これは、日本の家屋は、壁もむろんあるけれども、唐紙や障子を開け放してしまえば、家の内と外とのしきりはほとんどなくなってしまう。
それに加えて、障子を閉めきった場合にも、自然の風物を家の内部にまで持ちこもうとする傾向がある。
例えば、古い家や寺院のふすま絵などを見ると、そこには、自然の風物がいかにたくさん描かれていることか。
せいぜい油絵の額が飾ってある程度の洋間の壁とは大違いで、日本人は、家の中にいても、自分たちの周囲に絶えず自然を置きたがっているわけである。
日本式の木造家屋に住んだら、風が家の中を吹き抜け、自然との一体感が同じく感じられるかもしれない。
これらのことも、日本人が、自然を親しいものと考え、常にその恩恵に触れていたいと念願していることの表れではないだろうか。
2.日本文化の方面日本民族は一般的に自然に恵まれているので、自然には親和的で、その文化にもそれが現れている。
全体的に言っても,日本の文化は自然と対抗し、自然を征服するというものではなく、自然を愛し、自然と調和し、自然の成り行きに任せるという傾向がみられる。
日本文化の特徴の中には、自然に親和的で情緒的、また淡白、簡素、素朴で、繊細な傾向が見られ、余情、空白を大事にし、アンシンメトリーや不完全の美といった人工的装飾ではなく自然と調和されたものを好む傾向がみられる。
日本人は孤独や寂寥を恐れることなく、それを美として享受することのできる能力と自然との対話による自己浄化の能力を伝統芸能である茶の湯や生け花や短歌や俳句などによって賦与されている。
季節感と美意識 季節感というのは五感で感じるのだ。
西洋の美感はもっぱら視覚と聴覚に立ち、日本の美感はそのほか嗅、味、触覚によるところが多い。
従来の日本文化はその通りだ。
季節感と言うのは、日本の稲作文化に大きく関係している。
とくに日本は稲作の北限で、季節に厳しく支配されていて、仕事が三日遅れても大変なことになる。
ところが季節はその年によって変動があり、その変動を風とか虫の声、花の咲き方で先取りしながら適切に手をうたなければならない。
そういう自然との共感の中で生活していくという論理づけられない世界だった。
春夏秋冬の四季の微妙な変化が、農耕社会においては種まき、生育、収穫の兆候ともなるところから、自然の移ろいの細かい観察が行われ、それは「松風の音を聞き、虫の音をめでる」といった自然への鋭敏な感覚を育み、それを基に、さまざまな芸術や生活習慣が生まれている。
西洋絵画では17世紀に初めて独立した主題となった風景画も、日本では山水画と呼ばれて鎌倉時代以来、常に主要なテーマであった。
文学においても、自然はいつも重要なテーマであり、特に和歌や俳句が、花鳥風月を歌い、俳句に季語を詠み込むのも、その小世界に自然を取り入れようとする姿勢の表れである。
日本人の美意識に関する言葉の注釈 『もののあはれ』:平安時代の文化及びそれを生んだ貴族生活の中心をなす理念。
江戸時代の国学者本居宣長が指摘したもので、「見るもの、聞くもの。
ふるることに心の感じて出る嘆息の声」である。
つまり「もの」すなわち対象客観と「あはれ」すなわち感情主観の一致するところに生ずる調和的情趣の世界。
優美、繊細、沈静、観照の理念。
『幽玄』:奥深く容易にはかり知ることのできないこと。
日本文学論、歌論の理念の一つ。
優艶を基調として、言外に深い情趣、余情があること。