第16章 日本の伝统文化(3)-服装-

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第16章 日本の伝統文化(3)-服装―
第一節 和服の種類
(1)女性用の正装の和服
①黒留袖:既婚女性の正装。

生地は地模様の無い縮緬が黒い地色で染められており、背・後ろ袖・前胸に五つの紋(染め抜き日向紋)がある、柄付けは腰よりも下の位置にのみ置かれている。

②色留袖:既婚女性の正装。

黒以外の地色で染められたものを指す。

生地も縮緬だけではなく、同じ縮緬でも地模様を織り出したものや綸子を用いることもある。

黒留袖は五つ紋であるが、色留袖の場合五つ紋だけではなく三つ紋や一つ紋の場合もある。

③振袖:为に未婚女性用の絵羽模様がある正装である。

正式には五つ紋をつけるが、現在ではほとんど紋を入れることはない。

袖の長さにより、大振袖、中振袖、小振袖があり花嫁の衣装などにみられる袖丈の長いものは大振袖である。

近年の成人式などで着用される振袖は中振袖となっている場合が多い。

絵羽模様に限らず小紋や無地で表された振袖も多い。

④訪問着:女性用(未婚、既婚の区別なし)の絵羽模様がある礼装である。

紋を入れる場合もある。

生地は縮緬や綸子・朱子地などが用いられることが多いが、紬地で作られたもののある。

その場合紬はあくまでも普段着であるため、訪問着であっても正式な席には着用できない。

⑤喪服:五つ紋付き黒無地。

長じゅばんと半襟、足袋は白。

略喪服と言って、鼠や茶・紺などの地味な 地色に黒帯を合わせる喪
服もある。

略喪服(色喪服)は参列者および遠縁者など血縁の近さ遠さによって黒喪服を着るのが重い場合や、年回忌の折に着用する(通常は三回忌以降は略喪服を着ることが多い)。

⑥付け下げ:正装と普段着の間に位置する。

訪問着を簡略化したものであらかじめ切って裁断された上に柄を置く絵羽模様ではなく、予定の
場所に前もって想定し柄が置かれた反物の状態で売られているもので、縫うと訪問着のような位置に柄が置かれるものである。

特徴として、絵羽模様がない、家紋を入れない、八掛が共裾ではない。

略式礼装にあたるため儀式などの重い席には着用されることが少ない。

一般的な付け下げは儀式ではないパーティーなどで着用されることが多い。

(2)女性用の普段着の和装
①小紋:全体に細かい模様が入っていることが名称の由来。

小紋は上下の方向に関係なく模様が入っている。

そのため礼装、正装としての着用は出来ない。

②紬:紬糸を機織りの緯線・経線の片方若しくは両方に用いて織った布で縫製したもの。

③浴衣:通常は木綿地の単物で、和服の中で最も単純かつ基本的な構造となる。

生地が薄く開放的で風通し
がよいことからもっぱら夏場や湯上り、あるいは寝巻きとしての用途が为である。

(3)男性用の正式の和服⇒長着、羽織、および袴
1)正礼装
紋付羽織袴:特に五つ紋羽織袴が、最も格式が高い。

羽織と長着は黒の無地(黒羽二重)を使い、白く家紋が染め抜いてあるもの(五つ紋)に、仙台平などの荒い縞地の袴(無地は略式と
される)、手に白い扇子を持つのが正式。

また、草履は畳表で鼻緒の色は白。

*草履の鼻緒の色は、弔事のときは黒にする。

また、小物の色も黒にする2)略礼装
*長着は無地のお召し(縮緬)か紬を着用し、羽織は、無地で三つ紋か一つ紋を付けたものを用いる。

*長着や羽織に関しては、②「色羽二重(黒以外)」の格式が高く、次に③「お召し」、そして④「紬」
の順になる。

*しかし、「紬」に関しては普段着と同じ扱いになるので、もし結婚式や披露宴などで着用する場合
は、「お召」を身に着けたほうが良い。

*紋のついた和装の時は一般的に白足袋を用い
(4)男性用の普段着の和服(*普段着の和服では、羽織は着なくてもよい。


①色無地:柄のない黒以外の無地の着物。

②浴衣
③作務衣
④甚平
⑤丹前(どてら)
⑥法被
第2節現在の和服を取り巻く状況
(1)普及率の衰退
为な原因:①正装の和服が非常に効果
②着付けに手間がかかる
③活動性に欠ける
④温度調節がしにくく、特に夏場の気候には不向き
*和服を普段着にしている人は非常に少ないが、七五三や成人式のような人生の晴れの節目の
儀式・催事のときに正装の和服を好んで着用する人たちは今も少なくない。

特に、夏の花火大会で浴衣を好んで着用する女性は多い。

*現在では、着付けのしやすい、上半身と下半身部分に分かれたセパレート型の和服や浴衣も登場している。

(2)現在も和服が为流の分野
・日本の仏教僧
・神官・巫女などの神道の聖職者
・能楽・歌舞伎・日本舞踊・講談・落語・雅楽・茶道・花道・詩吟など伝統芸能の従事者
・芸者と舞妓
・相撲の行司・呼び出し・審判員
・力士が相撲の取組以外の場で正装するときの衣装
・仲居
・将棋棋士(重要な対局の際)
*剣道、柔道、合気道、居合道、空手道、弓道、なぎなたなどでは、スポーツ専用の和服を着る。

*補足*
「七五三」:7歳、5歳、3歳の子供の成長を祝う年中行事。

男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳の年の11月15日に、成長を祝って神社・寺などに
詣でる年中行事。

本来は数え年だが、現在は満年齢で行われる場合が多い。

地方によっては男の
子の3歳を行わない所もある。

由来:旧暦の15日はかつては二十八宿の鬼宿日(鬼が出歩かない日)に当たり、何事をするにも吉であるとされた。

また、旧暦の11月は収穫を終えてその実りを神に感謝する月であり、その月の満
月の日である15日に、氏神への収穫の感謝を兼ねて子供の成長を感謝し、加護を祈るようにな
った。

3歳は髪を伸ばす「髪置(かみおき)」、5歳は初めて袴をつける「袴着(はかまぎ)」、7歳
は、それまでの紐付きの着物に代わって、本仕立ての着物と丸帯という大人の装いをする「帯解
(おびとき)・紐落(ひもおとし)」の名残りである。

千歳飴:七五三では、千歳飴を食べて祝う。

千歳飴は、親が自らの子に長寿の願いを込めて、細く長くなっており(直径約15mm以内、長さ1m以内)、縁起が良いとされる紅白それぞれの色で着色さ
れている。

千歳飴は、鶴亀や松竹梅などの縁起の良い図案の描かれた千歳飴袋に入れられている。

7歳の少女千歳飴。