朝日新闻 天声人语 2015-1-8
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日语学习资料:天声人语之政治套娃责任谁担《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
对于日语学习者,阅读和翻译它,无疑是了解日本、提高自己日语水平的大好方法。
書いた記事の訂正は記者の痛恨事だが、さらなる不面目(ふめんぼく)もある。
掲載した訂正がまた間違っていた。
そんな事態が、極めてまれながら皆無ではない。
恥の上塗りの「訂正の訂正」を出すはめになる▼修正写过的报道是记者最不愿意做的事情,不过还有更让他们颜面无存的情况。
那就是已经刊登出的修正稿又出错了。
这样的事情虽然极少发生,但也并不是没有出现的可能。
于是就陷入了耻辱感“修正后再修正”的窘境。
▼ここから話は国政へ展開する。
田中防衛相のことだ。
ダメ印を押された前任者に代わっての就任は、記事で言えば「訂正」だろう。
なのに負けず劣らずのお粗末ぶりは、呆(あき)れるよりも痛々しい▼下面让我们来说说国家政治,田中国防部长。
他取代了不中用的前任,被媒体喻为“修正版”。
不过,和前任不相上下的拙劣表现,与其说是让人大跌眼镜,倒不如说是痛心疾首。
▼就任時や沖縄での発言で不信を買い、国会答弁では面目をつぶし、前任者の轍(てつ)を律義に踏む。
防衛の門外漢ながら小沢一郎氏に近く、党内融和の力学と年功で選ばれた面もある。
適材適所の四文字が泣いている---------以下为回复可见内容---------▼田中在就任演讲以及冲绳问题的发言失信于民,国会答辩更是颜面扫地,简直是重蹈了前任的覆辙。
明明就是个国防领域的门外汉,却因为和小泽一郎的关系亲密,深谙党内相处之道,论资排辈地就坐上了这个位子。
殊不知“量才任用”四个字如今在哭泣。
▼その大臣とともに鬼門と言うべきか、沖縄防衛局長も「訂正の訂正」が必要らしい。
前任者は普天間飛行場の移設手続きを性暴力に例えて更迭された。
そして代わった人物が、また不祥事である。
今度は同飛行場のある宜野湾市長選への「介入疑惑」で、より悪質といえる▼应该说冲绳安全局长和这位大臣同时进了鬼门关,需要“修正后的再修正”。
日语学习资料:天声人语之罗马新皇来自南美《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
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アメリカ大陸が「発見」された1492年は、イベリア半島からイスラム勢力が追い出された年でもある。
宗教的な熱狂の中、宿願を果たしたスペインは先行するポルトガルを追って新世界へ漕(こ)ぎ出す。
目的は金銀、そしてキリスト教の布教だった“发现”了美洲大陆的1492年,也是伊斯兰势力被逐出伊比利亚半岛的一年。
在宗教式的狂热氛围笼罩下,实现了夙愿的西班牙追随先行的葡萄牙开始了驶向新世界的航程。
目的是为了掠夺金银以及传布基督教。
▼コンキスタドール(征服者)たちは、先住民が築いた文明を滅ぼし、中南米を「カトリックの大陸」にした。
世界に11億人とされる教徒の4割が、今ここに暮らす。
その現実を映した結論でもあろう。
266代目のローマ法王に、初めて「新大陸」の出身者が選ばれた▼Conquistador(远征者)们决定要摧毁原住民建立的文明,并将中南美洲建成一个“共同信奉天主的大陆”。
如今,全世界11亿教徒中的4成居住在此。
或许可以说这是一个反映现实的结论,“新大陆”出生者第一次被推选为第266代罗马教皇。
▼アルゼンチンのホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿(76)で、フランシスコ1世を名乗る。
約600年ぶりに「生前退位」した前法王(85)に続き、その名も宗教史に刻まれる▼他就是阿根廷的豪尔赫・马里奥・贝尔格里奥(Jorge Mario Bergoglio)枢机主教(76岁),被命名为弗朗西斯科1世,紧接着600年来第一位“生前退位”的前教皇(85岁),他的名字也将被镌刻在宗教史上。
▼保守派と改革派の間を取った人選らしい。
新法王をあえて分類すれば、サッカーとタンゴを愛し、バスで通勤する庶民派とか。
「友人の枢機卿たちは、世界の果てまで(法王を)探しに行ってしまった」と、第一声も柔らかだった▼看来这是一位介于保守派与改革派之间的人选,如果硬要给这位新教皇定位的话,或许可以说他属于既喜欢足球又钟爱探戈,还乘坐公交车上班出行的庶民派。
日语学习资料:天声人语之乍暖还寒注意防火《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
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日本にやってきた異国の人の「発見」に教えられることは少なくない。
明治時代に東大で教えた英国人チェンバレンは、日本語には火事をめぐる語彙(ごい)が多いのに驚いた。
付け火や粗相(そそう)火(失火)、貰(もら)い火をはじめ火事見舞いまで多々あげて、「これでも半分にもならない」と記している有许多东西受教于来到日本的外国人的“发现”。
明治时代执教于东京大学的英国人张伯伦(Basil Hall Chamberlain)就曾惊奇地发现日语中关于着火的词汇颇多这一特点,并列举了诸如纵火、过失失火、殃及邻家火,甚至还有火灾慰问等不少词例,并注明称“这些还不到其中的一半”。
▼多彩な語彙の背景を、木と紙でできた都市ゆえだろうと説いていた。
火災の多発が風俗や習慣に深く根をおろしている、と。
なるほどと思って読んだその著作を、東京の老舗そば店「かんだやぶそば」の火事で思い出した▼这说明,正是因为采用木材与和纸建成的城市才造就了这丰富多彩的词汇背景,而火灾频发的事实又已深深植根于风俗习惯之中。
东京的老字号荞麦面铺“神田薮荞麦”的火灾让我想起了这部曾经阅读后极为赞同的著作。
▼東京都の歴史的建造物でもあった木造の、残念な災難だった。
大空襲にも焼けず、作家の池波正太郎が「むかしの町の香りを辛うじて残している」と懐かしんだ一角の店である。
食通で鳴らした池波は、あの世で嘆息していることだろう▼这的确是一场令人遗憾的火灾,因为它是东京都的一栋具有历史意义的木结构建筑。
这是一家曾经顶住了东京大轰炸的熊熊烈火的小店,也是占据了作家池波正太郎心存怀念中一席之地并称之为“好容易保留下来的极具古朴街区温馨”的小店。
想必堪称美食家的池波先生一定正在那个世界叹息不已吧。
日本天皇新年“战争反思”混淆是非或影响巨大!2015-01-04 15:11:10 捍卫国家祖权中华网论坛新的一年到了,各国元首习惯性地要做一番回顾过去、展望未来的新年讲话。
日本天皇明仁也不例外,他以较为沉痛的口吻回顾了“以满洲事变为发端的那场战争”带来的“牺牲310万人性命”的“痛心”历史,呼吁应该借今年二战结束70周年的时机,“学习”战争历史,思考国家今后应有的样子。
听完明仁这番对战争的“反思”,可以让人得出下列结论:第一,东三省不是中国的领土,而是叫“满洲”所谓“满洲事变”自然和中华民族关系不大,只和满蒙有关。
直到现在,明仁的脑袋里依然继续充斥着裕仁天皇“满蒙亲善”思维。
第二,日本才是受害国他提到了死于战争的310万人,绝不是中国人。
因为二战中中国人的死亡人数远远高于此数,军民伤亡共3500多万人。
而这些人的死亡和日本入侵有着直接因果关系,他们死在自己的土地上,而不是死在日本,是不折不扣的受害者。
那么明仁嘴里的那“310万”死者,就是日本人。
算上和中国军队作战战死、病死者至少150多万人,还应该包括死于太平洋战场以及广岛、长崎以及其他日本本土被轰炸中的死者。
明仁真正“痛心”的是日本人,而不是其他死于战争者。
大家看,根据日本共同社报道,为祭奠战殁者,日本天皇和皇后定于2015年4月上旬访问太平洋战争时期曾发生激烈战斗的帕劳。
这将成为自2005年二战结束60周年之际出访美属塞班以来,天皇夫妇第二次出访海外展开“慰灵之旅”。
第三,忽略太平洋战争众所周知,为了摆脱中国战场的困局,1941年12月7日上午,日本通过偷袭珍珠港挑起了太平洋战争。
从此,美国彻底摆脱“孤立主义”羁縻,全力投入对日战争,并成为太平洋战场对日作战的主要力量。
据不完全统计,死于美国轰炸、炮轰、扫射、围困的日本军人和平民至少在80万人以上,特别是1945年3月的美军对东京的大轰炸和当年8月6日、8月9日分别对广岛长崎投掷原子弹造成的重大伤亡和财产损失,令日本军民实实在在感受到了美国大规模机械化战争的威力,生于1933年、当时躲在防空洞里的明仁当然知道战争的巨大破坏作用。
天声人语070502沪江日语| 天声人语翻译讨论组上一期| 下一期持ち場にもよるが、20年前はスーツを常用する新聞記者はそれほど多くなかったと思う。
現場で動きやすい軽装が一般的で、使い込んで、戦友のようになった一着があったものだ。
(我)想来,虽说也会穿着(它)上岗工作,然而20 年前经常穿成套西装的报社记者并没有这么多。
(记者们)通常都是身着在(新闻)现场行动便捷的轻装,穿惯了,那身衣装就如同战友一样。
持ち場:崗位よる:寄る使い込む:他五。
1. 挪用。
2. 超支。
3. 用惯、用熟。
実際、その薄手のブルゾンは、持ち主の分まで戦っているように見えた。
20年前の憲法記念日、朝日新聞の阪神支局が襲撃され、記者2人が死傷した。
29歳で命を絶たれた小尻知博記者の上着が、支局にある襲撃事件資料室で初めて公開された(3日まで)。
事实上,就如同看见了这件薄料夹克主人在战斗一样(意译)。
20 年前的宪法纪念日(那天)、 2 名记者在朝日新闻阪神支局遭到袭击而死伤。
29 岁便失去生命的小尻知博记者的上装在位于支局的袭击事件资料室内首次公开展出(截止3 日)。
薄手: : 1. 质地薄的东西。
2. 轻伤。
ブルゾン:【( フランス)blouson 】裾をゴムやベルトで絞り、身頃をふくらませた活動的なジャケット。
サイズはM。
左ポケットのわきに、卵大の穴が開いている。
至近距離から放たれた400粒の散弾が、ひとかたまりで脇腹に飛び込んだ跡だ。
色あせた青い木綿の生地は、運ばれた病院で切り裂かれ、左半分が褐色に染まっている。
展示ケースに収める前、手にとり、そっと顔を近づけてみた。
古着(ふるぎ)のにおいだけがした。
(这件夹克)的尺寸为M。
在左边口袋旁边,开着一个鸡蛋大小的洞。
这是(小尻知博)在极近距离下被射400 发铅弹,子弹成团飞射进入侧腹留下的痕迹。
已经退色的蓝色棉织衣料,在被送入的那家医院里剪开,左半侧还染着褐色。
在这件夹克被收归展箱前,(我)把它拿在手上,并试着轻轻把它贴近面庞。
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冬の星を凍星(いてぼし)とも荒星(あらぼし)とも呼ぶ。
季節風がするどく吹き抜けて裸木をひゅうと鳴らす。
木枯らしに磨かれた北の空に北斗七星が立ち上がっている。
南には三つの1等星をつなぐ「冬の大三角」が冴(さ)え、隣にはオリオン。
有名な者たちの住む天空である▼冬天的星星叫作冻星也叫作荒星。
凛冽的冬风呼啸而过,光秃秃的树干吱吱作响。
被寒风擦亮了的北方天空,北斗七星冉冉升起。
在南面的天空由三颗一等星构成的“冬大三角”清丽脱俗,旁边紧邻的就是猎户座。
真是汇集了众多名宿的夜空啊。
▼その空の、どの辺りにあるのか。
「ケプラー22b」なる星の記事を先日読んだ。
生命に不可欠な水が液体で存在できる温度の星だという。
太陽系外にあるそんな惑星を、米航空宇宙局(NASA)が初めて確認した▼不知道这样的星空位于哪里。
前些日子我看到了关于“开普勒22b”行星的报道。
据说,该行星的温度,可以使生命之源的水以液体形式存在。
美国宇航局(NASA)首次对太阳系以外的这类的行星予以证实。
▼セ氏22度と推定されるそうだから、生命の誕生にはまさに、♪いい湯だな――の適温であろう。
熱すぎれば水は蒸発し尽くし、寒ければ凍りつく。
液体でいられる温度の幅は広くない▼据推测该行星的温度大概有22摄氏度,这对于生命的存在是再合适不过了的温度了。
温度过高水分就会蒸发殆尽,过低就会冰冻。
其实能够使水以液体形式存在的温度范围并不算大。
▼この星は600光年の彼方(かなた)にある。
大きさは地球の2.4倍と聞けば、人口急増や資源の枯渇が心配な折、どこか羨(うらや)ましい。
公転周期290日にも親しみがわくが、地球のような岩石の星か、木星のようなガス惑星かはまだわからない▼这颗行星远在600光年的地方。
日语学习资料:天声人语之上调电费骂声一片《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
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2011年9月15日(木)付バイキング料理の軽いストレスは、自分の浅ましさを思い知る点にある。
元を取るぞという貧乏性が食欲にかぶさり、せっかくの美味は混然たる「ごちそうの山」と化す。
この手で好きなだけ盛れる怖さ、お手盛りの語源である。
自助餐带来的轻微的压力有时候能让我们知道自身的卑鄙。
“一定要吃回本钱”这种穷酸的想法掩盖了我们的食欲,难得的美食全都化作了“食物大山”。
用自己的手想盛多少就盛多少,这种可怕的做法正是“本位主义”(也有自己盛饭的意思)的语源。
▼東京電力が、来年度から3年間をめどに、約15%の料金値上げを欲しているという。
社員の給与カットは5%だからお手盛りくさい。
半減とはいえボーナスがあるのも驚くが、値上げ期間が終わったら元に戻したいらしい。
据说东京电力计划从明年开始在今后的3年内将电费提高约15%。
而公司职员的工资则只减少5%,总给人一种本位主义的感觉。
虽说工资减半,但是奖金照发,这一点也着实让人吃惊。
而且他们似乎希望在涨价结束之后将工资恢复到原来的水准。
▼安定供給の名の下、会社が赤字にならぬよう、電気料金は事前に見積もった費用に利潤を乗せて決まる。
勢い、見積もりが多めになるのは「ごちそうの山」の常である。
地域独占なので、コスト減らしの競争意識は乏しい。
打着“稳定供应”的旗号,为了不让公司陷入赤字当中,电费是根据事先估计的费用再加上利润来决定的。
而将预估的费用算的多一些,这也是“食物大山”常有的情况。
由于是地区性垄断企业,所以缺乏削减成本这种竞争意识。
▼倒産しかねない大公害なのに、国策ゆえ、想定外だからと救われる公益事業。
被災した町工場や商店は納得いくまい。
今の東電には、食べ放題ではなく質素な昼定食が似合う。
日语学习资料:天声人语之财政重建别无旁道《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
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道路の工事が増えている。
都内を走ると実感する。
あるタクシーの運転手さんは「私ら、工事にいじめられてます」と言った。
うっかり渋滞に巻き込まれると、普通より料金のメーターが上がる。
その分、差し引いた金額しか払わないお客がいるらしい。
渋滞もアベノミクスの効果か道路工程不断增加,当你在东京都内行走是就会有亲身感受。
有一位出租车司机说到,“我们都在受着这些个工程的气。
”若不小心误入拥堵的车流,计价器显示的数字就会比平时高许多。
有的乘客却只肯支付减去差额的那一部分车费。
难道这拥堵也是安倍经济模式带来的效果吗?デフレ脱却の見方が出る中、消費税率引き上げについて意見を聞く「集中点検会合」が終わった。
6日間で60人もの有識者が語った。
異例な催しだった。
安倍首相が直々に号令をかけたのだという在认为摆脱了通缩的情况下,听取有关提高消费税率意见的“集中检验会议”结束了。
6天会期共有60位有关专家发表了意见,是一次异乎寻常的会议。
据说,安倍首相对此反复下达了命令。
来年4月に増税することは法律で決まっているが、「経済状況の好転」が条件になる。
そこをどう判断するか。
結果は予想通りと言うべきか、「来春から8%」に7割が賛成だった。
といっても、皆が諸手をあげてというわけではない尽管决定依法将于明年4月提高赋税,但是仍须以“经济状况好转”为条件。
那么如何判断?谈得上已取得预想结果吗?会上有7成专家赞成“明年春天提高至8%”。
即便如此,他们也并非不附加任何条件。
「そのかわりに」という注文つきの意見が多かった。
景気の下支え策を講じよ。
法人税を下げよ。
自動車取得税を廃止せよ。
業界の利益を代弁するような主張もあったが、財政再建は先送りできないと大方が考えていることはわかった很多意见都是以“取而代之的是”为补充形式提出了自己认可的看法。
日语学习资料:天声人语之高温防暑切莫大意《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
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古代ギリシャ七賢人の一人タレスといえば、万物の根源は水だと説いた哲学者だ。
そのタレスだが、古代の五輪を観戦していて、今でいう熱中症で死んだという説がある。
後世の詩人の一節も残っているそうだ▼说起古希腊七贤之一的泰勒斯,这位哲学家一贯的主张是:水乃万物之源。
据说他在观看古代奥运会的时候,因为我们现在所说的中暑而亡故了。
于是就有了后世的诗人,留下了下面这段文字。
▼〈太陽ゼウスよ、昔おん身は、スタディオンより、競技を見物していたる賢者タレースを天上へ連れ去り給いぬ……〉(野尻抱影〈ほうえい〉『星三百六十五夜』)。
すべては水から生じて水に還(かえ)る。
そのような自然観を語った人が「脱水」で落命したとすれば皮肉である▼〈太阳之神宙斯啊,是您把观看比赛的智者泰勒斯,从赛场带向了天堂……〉(野尻抱影《星三百六十五夜》)。
世间万物因水而生最终又回归于水。
倡导这样自然观的人,终因“脱水”而丧命还真是讽刺。
▼あちらの太陽も暑そうだが、東洋の炎帝も負けていない。
しばらく前の小欄で「赫々(かっかく)たる太陽も蝉(せみ)の声もなしではどこか寂しい」と書いた。
挑発したわけではなかったが全国で猛暑が続く。
この暴君、手加減というものを知らないらしい▼看起来西方的太阳神威力很大,但是我们东方的炎帝也毫不逊色。
本栏在不久之前曾说过“没有炽热的太阳也没有蝉鸣声的话,这个夏天多少都有点冷清。
”这话虽然不是有意在搬弄是非,却招致近日来的持续高温。
而太阳这个暴君,貌似完全不知适可而止为何物。
▼慣れは恐ろしく、いつしか猛暑日と聞いても驚かなくなってしまった。
だが頭は慣れても、体は温度を正直に受け止める。
油断せず、定石通りの水分補給で身を守りたい。
天声人語2015年04月09日(木)道みちの両側りょうがわにはパパイアやバナナがいっぱいなっている。
『山月やまつき記き(さんげつき)』などで作家さっかとして世よに出でる前まえの中島なかじま敦あつしは、南みなみの島しまの第だい一いち印象いんしょうを妻つまに書かき送おくった。
1941年ねん7月がつ、日本にっぽんの統治とうち下かにあったパラオに着任ちゃくにんしたのだ。
現地げんちに置おかれた南洋なんよう庁ちょうで、島民とうみん向むけの日本語にほんご教科書きょうかしょを編集へんしゅうするのが仕事しごとだった中島なかじまは島しまの人々ひとびとの気風きふうを愛あいした。
だが、彼かれらを役所やくしょは労働ろうどう者しゃとして酷使こくしするばかりだと手紙てがみに書かいている。
対たい米べい開戦かいせんの直前ちょくぜん、島民とうみんのための食糧しょくりょうも不足ふそくしていく。
教科書きょうかしょをつくっても彼かれらを幸しあわせにできない。
中島なかじまは仕事しごとへの熱意ねついを失うしなう。
翌年よくねん帰国きこくした赴任ふにん中ちゅうの中島なかじまも船ふねで渡わたったペリリュー島とうで、後のちに旧きゅう日本にっぽん軍ぐんは米べい軍ぐんと激はげしく戦たたかった。
44年ねん9月がつからの約やく2カ月かげつ間かんで、両りょう軍ぐんとも多数たすうの死者ししゃを出だした。
この島しまにきょう、天皇てんのう、皇后こうごう両りょう陛下へいかが赴おもむき、双方そうほうの戦没せんぼつ者しゃの碑いしぶみに花はなを供そなえる戦後せんご70年ねんにあたっての「慰霊いれいの旅たび」である。
戦後せんご50年ねんに長崎ながさき、広島ひろしま、沖縄おきなわなどを回まわり、60年ねんの年としにはサイパンを訪おとずれた。
国籍こくせきで分わけ隔へだてせず犠牲ぎせい者しゃを悼いたみ、世界せかいの平和へいわを願ねがう。
悲かなしい歴史れきしを忘わすれないための祈いのりが営々えいえいと続つづくパラオは親日しんにち的てきというが、日本にっぽん統治とうちには中島なかじまが見みたような負まけの側面そくめんもあった。
日语学习资料:天声人语之远远关怀地震遗孤关键字:日语学习资料:天声人语,日语学习资料《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
对于日语学习者,阅读和翻译它,无疑是了解日本、提高自己日语水平的大好方法。
2011年5月5日(木)付方言には、標準語には収まりきらない深みと幅を持つ言葉が多い。
東北地方の「までい」もそんな一つだ。
「真手(まて)」という古語が語源といい、転じて手間ひま惜しまず、丁寧に、心をこめて、といった意味合いで使われるそうだ。
方言中的许多词汇都包含着标准语所无法体现的深度。
而东北地区的“madei”便是其中之一。
这个词源于古语“真手(mate)”,表示“不惜耗费时间、精力,认真,用心的”。
▼「までいに飯を食わねえどバチあだっと」「子どものしつけはまでいにやれよ」などとお年寄りは言う。
原発禍に揺れる福島県飯舘村役場に頂戴(ちょうだい)した『までいの力』という一冊で知った。
言葉どおり、手塩にかけて築いてきた村の日常がオールカラー本に息づいている。
上了年纪的人会说“如果不心怀感激的吃饭的话,可是要遭报应的”、“孩子的教育绝不能马虎”。
这是笔者从福岛县饭馆村的村公所拿到的一本名为《认真的力量》的书中得知的。
该村因核电站的事故而陷入了动荡之中。
正如同这个词汇所表达的一样,这本全彩的书籍记录着人们一手打造起来的村庄的日常点点滴滴。
▼スローライフの考え方が広がり出したころ、村長はじめ村人は思ったそうだ。
「それって『までい』ってことじゃないか」。
以来「までい」を合言葉に、地に足をつけて村をつくり上げてきた。
就在“慢生活”这种观点普及之际,以村长为首,村中人们纷纷意识到“这不就是所谓的‘madei(认真)’吗”。
自那以后,人们便以“madei”为标语,脚踏实地的建设着村庄。
▼ところが本の刊行直前に震災が起きた。
「ここには2011年3月11日午後2時46分以前の美しい飯舘村の姿があります」。
日语学习资料:天声人语之行人天堂今起复活关键字:日语学习资料:天声人语,日语学习资料《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
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歌人の上田三四二(みよじ)は散策時に作歌した。
「歌をつくろうとは思わない。
歩くだけでいい……だがそういう道の上で、ふと、歌が落ちてくる……その言葉を唇(くち)にのぼせ、吟味し、よさそうだと胸にしまい込む」と、随筆に記している。
歌人上田三四二在散步的时候创作了一首歌。
“并没有想要作歌。
只是单纯走走路就很满足了……但在散步的路上,突然,歌就这么滑落……歌词爬上唇边,玩味一番,感觉很是不错地渗入心中”在随笔中,他如是写道。
▼その人が「夕方の散歩で会いたくないものの第一」としたのが自動車だ。
〈対向の車の列に擦られつつやはらかき肉わがあゆみ行く〉の一首がある。
生身を車列に擦られては、どんな想も落ちてこない。
这位歌人“在傍晚散步时最不愿意遇见的东西第一位”便是汽车。
有一首歌中写到:“对面车列擦身过,血肉之身何堪此,惴惴不安小心走,散步意境失殆尽”。
身体要是车列擦过,什么想法都不会出现了。
▼うわの空でも、心地よく歩きたい。
そんな道を取り戻す知恵が、交通戦争と大気汚染の中で生まれた歩行者天国だった。
ホコ天の歴史そのものといえるのは、東京の新橋から銀座、日本橋、秋葉原を経て上野に至る中央通りだ。
南北5キロ超で一斉に車を閉め出したこともある。
即便是在神游的时候,也想舒心地走路。
得到这样的道路的智慧,便来自于交通战争和大气污染之中的步行者天国。
称得上行人天堂的历史的,就是从东京新桥开始,经过银座、日本桥、秋叶原,最后到上野的中央通道了。
南北向5公里多的路程,曾同时禁止过机动车通行。
▼南の銀座と並び、40年近く前から北の名物だった秋葉原のホコ天がきょう、無差別殺傷事件から137週ぶりに復活する。
日语学习资料:天声人语之中泽启治与世长辞《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
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戦後しばらく、原爆をめぐる表現は占領軍にきびしく検閲された。
そんな中でまっ先に、むごさを歌に詠んで発行した一人に正田篠枝さんがいた。
〈大き骨は先生ならむそのそばに小さきあたまの骨あつまれり〉。
自らも広島で被爆した歌人は1965年に他界している战后很长一段时间,关于原子弹爆炸的表述曾受到占领军的严格审查。
其间,以和歌形式表达程度之惨烈,并发行于世的是正田篠枝先生。
<累累白骨现眼前,有大有小非一般,老师遗骨是大块,小块头骨聚一边>。
在广岛亲身遭到原子弹爆炸的歌人于1965年便离开了这个世界。
▼その翌年に、漫画家の中沢啓治さんの母親も亡くなった。
やはり広島で被爆し、後遺症に苦しんだ母は、骨さえ残さなかった。
火葬のあとは、白い破片と粉のようなものがあるだけだったという▼第二年,漫画家中泽启治先生的母亲也与世长辞。
同样在广岛遭到原子弹爆炸,并痛苦于后遗症的母亲,最后竟连遗骨都没能留下。
据说在火化之后,只留下了犹如白色碎片及粉末似的东西。
▼人が生きたことの、最も素朴な証しが骨だろう。
「原爆は大事な大事なおふくろの骨まで奪っていくのか」。
たぎる怒りが、被爆体験から逃げていた心を揺さぶる。
自伝的漫画「はだしのゲン」はそうして生まれた▼遗骨恐怕是人曾经存活于世最为朴素的证据了吧。
“难道原子弹爆炸竟然将我最最重要的母亲的遗骨都夺走了吗?”按耐不住的激愤撼动了有幸逃过原子弹爆炸一劫的侥幸情绪。
自传体漫画“赤脚的原”就是在这种情况下诞生的。
▼小1だった中沢さんは爆心に近い校門前で炸裂(さくれつ)に遭った。
「小さき骨」にならずにすんだのは奇跡でしかない。
だが父、姉、弟を亡くし、妹も栄養失調で失った。
自伝を描くのに絞った勇気と涙は、いかほどだったかと思う▼还是小学1年级学生的中泽先生在离原子弹爆炸中心很近的校门口遭遇了爆炸,之所以没有成为“小块遗骨”,那只好说是奇迹。
日语学习资料:天声人语之三月三日桃花佳节《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
对于日语学习者,阅读和翻译它,无疑是了解日本、提高自己日语水平的大好方法。
この朝を、ひな人形と迎えたお宅も多かろう。
女の子の幸せを祈る桃の節句は、公家から武家、庶民へと広がったという。
東京・三井記念美術館の「三井家のおひなさま」展で、豪商の家系に伝わるひな飾りを見た今天这个早晨,恐怕很多家庭都是和雏偶一起迎来的吧。
据说,祈祷女孩子幸福人生的桃花节习俗是从官宦家发展到武士家,再进一步扩展到百姓家的。
在东京・三井纪念美术馆举办的“三井家族雏偶”展上,我看到了富豪家历代传承的饰品。
▼17世紀の伊勢商人を祖とする三井家は、江戸に出した呉服店と両替商から財閥を築き上げた。
代々の夫人や娘たちが愛(め)でた段飾りには、四畳半を埋めるほどのものもある▼这个祖上在17世纪成为伊势商人的三井家族从在江户开了一家吴服店和做货币兑换生意开始逐渐构建成了自己的财阀体系。
历代夫人及小姐们所心爱的这些阶梯饰品中,有的竟然能够摆满一个四叠半(约8平方米)的房间。
▼名のある家から三井各家に嫁ぎ、母となり、娘たちを名家に嫁がせる。
一族内での婚姻も少なくない。
始終を見守った人形の、雅(みやび)だがどこか悲しげな白面(はくめん)に向かい、ふと思った。
今どき女性の幸せとは何だろう▼从其他名门望族出嫁到三井家族各家的小姐,日后她们做了母亲,又把自己的女儿嫁到了其他名门望族,也有不少是一族之内的婚姻。
面对这些自始自终关注着这个家族的人偶,以及他们既优雅又总让人觉得有些许稚嫩的一张张白脸,突然我想到了一个问题:当今女性的幸福又是什么呢?▼内閣府によると、「夫は外で働き、妻は家を守るべし」と考える人が全年代で増えている。
特に20代は男が3年前より21ポイント増の56%、女も16ポイント増の44%と、30~50代を上回る支持率だ。
来源:译言网朝日新聞の天声人語2012-12-18朝日新闻| 天声人语2012-12-18 翻译类型:日文翻译—欢迎广大翻译爱好者交流!翻译人员:akiaki2012-12-18日文原文「もう一度チャレンジしてみろという、フゔンの声を無にできない」。
長嶋茂雄さんが巨人軍の監督に復帰したのは20年前である。
久々のユニホーム姿にG党は燃えた▼新味こそないが経験は生きる。
2度目とはそういうものだろう。
スター選手からすぐ指揮官に転じ、最下位の屈辱までなめたミスターへの期待もそこにあった。
片や5年ぶりに首相を務める安倍晋三氏の身辺に、そうした高ぶりはない▼新政権を見る目が熱狂から遠いのは、誰より氏がご存じだ。
きのうの記者会見。
「自民党への厳しい視線は続く」と語り、谷底からのスタート、危機突破内閣と、険しい言葉を連ねた。
失敗は許されない、そんな緊張感がにじむ▼小選挙区制の下、民意の振り子は何度でも、時の政権を吹き飛ばすだろう。
61%の議席を占めた自民党も、各党の人気を映す比例区の得票率では、大敗した前回とさして変わらぬ27%台にとどまった。
ここはおごることなく、経済や外交に当たるのが得策だ▼一方、投票率は戦後最低の59.32%に沈んだ。
明日の暮らしを脅かす難題に囲まれながら、政治に白けているかのような有権者は気になる。
だが、リーダーが妙な熱狂から遠いのは悪いことではない▼首相への復帰は、戦後では吉田茂の例があるだけだ。
日本の主権回復とも重なる吉田の2度目は、6年を超す長期政権となり、軽武装で復興と成長にひた走る路線が敷かれた。
これぞ保守本流である。
安倍氏には、そちらもまねしてほしいのだが。
日文翻译成中文长嶋茂雄回归巨人军(隶属日本职棒中央联盟的球队)的领队是在20年前,他说“粉丝们希望我再挑战一次,我不能辜负了他们的期望”,久违的制服风貌,让G党(日视开播的一档职棒信息节目)心潮澎湃。
虽无新鲜感但经验丰富。
日语学习资料:天声人语之圣诞之夜一家团圆《天声人语》是日本权威报纸《朝日新闻》编辑部集体撰写的时事类短文,内容涉及日本社会的所有方面。
对于日语学习者,阅读和翻译它,无疑是了解日本、提高自己日语水平的大好方法。
数あるクリスマスソングの中でも「ホワイト・クリスマス」の人気はゆるぎない。
え、知らない、とおっしゃる向きも、出だしを聴けば、ああこれか、と思うだろう。
世界で一番多くレコードが売れた、という説もあるほどだ在屈指可数的几个圣诞曲中,“白色圣诞”可谓人气丝毫不可撼动。
即便是那些认为记不太清楚的,只要听一个开头,就会忽然想起,啊啊,是这首啊!甚至被人认为这是全世界销售量最多的唱片。
▼和製では山下達郎さんの「クリスマス・イブ」がゆるがぬ定番らしい。
バブル経済真っ盛りのころ、新幹線のCMに流れた。
♪きっと君は来ない……の詞と曲に、甘い思い出、切ない記憶が重なる中年世代もおられよう▼和式的则以山下达郎先生的“圣诞夜”为坚定不移的人气曲目。
在泡沫经济最为严重的时期,新干线的CM中便荡漾着这首曲子,♪您一定不会再来……一定有不少中老年人被此词此曲勾起温馨且悲凉的记忆。
▼〈待つ人はつねに来る人より多くこの街にまた聖夜ちかづく〉。
歌人小島ゆかりさんの一首に、待ち合わせスポットの人模様を想像してみる。
来る人は一人ずつやってきて、待つ人とともに街に消える。
年の瀬の雑踏には、あたたかさと、冷たい風が混じり合う▼<如期而至恋人少,翘首以待情郎多,一年一度圣诞夜,降临此街好红火>歌人小岛优卡莉女士这首和歌令人想像到情人们来到约会地点时的情景,一个个来到了恋人的身旁,然后与这等待已久的有情人双双离去,并消失在大街上。
在此年末的忙碌中,人情的温馨与凛冽的寒风融合在了一起。
▼白樺派の詩人だった千家元麿(せんげもとまろ)の「三人の親子」という一編がふと浮かぶ。
大晦日(おおみそか)の晩、母子3人が往来から、ガラス戸の中の餅をじっと眺めている。
24 × 25証人喚問の沈黙が語るもの「申し訳ございません。
拒絶させてもらいます」。
耐震強度の偽装事件をめぐる国会の証人喚問で、小嶋進・ヒューザー社長の回答拒否は30回近くに及んだ。
テレビの中継を見て、歯がゆい思いをした人も多かっただろ。
しかし法律では、正当な理由があれば証言を拒否できると定められている。
自己に不利益な供述を強要されないという憲法の規定もある。
拒否が連発された喚問には、ほとんど意味がなっかたといえば、そうではない。
小嶋社長が回答を拒んだのは、こんな項目についてだった。
「構造計算書の偽造を、いつ、どこyで知ったか」「ヒューザーで急きょ開かれた会議の内容」「販売中のマンションが問題物件だと、いつ認識したのか」。
いずれも、事件の核心部分に当たる。
回答を拒むのは認められた権利の行使だが、証人にとっては不利な事態を招く一面もある。
肝心なところで明確に否定しないことで、暗に認めたとも取られ兼ねないからだ。
世間が、やはり後ろ暗いところがあるのかといった見方に傾くとしても、口を開くよりいいと考えたのだろうか。
『黙して24 × 25語らず」というが、黙してもお語るところがあったように思う。
フランスの政治思想家で法学者だったモンテスキューが述べている。
「自由とは法律の許すすべてをなす権利である」。
国会で黙された部分の実相が、「法律の許すすべて」の範囲を踏み外していなかったかどうか。
その究明葉これからだが、沈黙は、問題のありかを繰り返し指し示していた。
24 × 25違法な高利にメスアイスクリームは氷菓子だから、高利貸を「アイス」と呼ぶ。
熱海の海岸で貫一、お宮の別れの場面で知られる尾崎紅葉の「金色の夜叉」には、「アイス」が何度も出てくる。
金に目がくらんで資産家の下に走った許婚・お宮を恨んで学生・貫一が「高利貸」になる。
そして、金力でお宮と社会ヘ復讐を図る。
明治期に新聞に連載されて評判を取り、芝居で繰り返し上演された。
朝日新聞 天声人語 2015-1-8
作家さっかの梶山かじやま季之としゆき(としゆき)が『黒くろの試走しそう車しゃ』を書かいたの
は1962年ねんのことだ。
田宮たみや二郎じろうの主演しゅえんで映画えいがにもなった。
マイ
カー時代じだいの扉とびらが開ひらき、自動車じどうしゃ業界ぎょうかいの火花ひばなが激はげしさを増ます高度こうど成長せいちょう期き。
新車しんしゃ開発かいはつの秘密ひみつ情報じょうほうをめぐるサスペ
ンスは人気にんきを呼よんだ
▼開発かいはつ中ちゅうの新型しんがた車しゃを覆面ふくめんのようなベールで隠かくして試走しそうする。
虚実きょじつのほどは知しらないが、あのころはそんなイメージを、筆者ひっしゃのような子こどもでも持もっていたと記憶きおくする
▼それから半はん世紀せいき。
自動車じどうしゃ業界ぎょうかいの競争きょうそうはいまも激はげしい
はずだが、思おもい切きったトヨタの決断けつだんである。
世界せかいに先さきがけて売うり出
だした燃料ねんりょう電池でんち車しゃの特許とっきょ約やく5680件けんを無償むしょうで
開放かいほうするという。
ニュースに驚おどろいた人ひとは多おおかったろう。
そして拍手はくしゅを送おくった人ひとも
▼水素すいそと酸素さんそを反応はんのうさせて、排はいガスを出ださずに走はしる。
苦心くしんの技術ぎじゅつをライバル社しゃに提供ていきょうするのは、参入さんにゅうを促うながして市場しじょうを広ひろげるためだ。
「戦略せんりゃく」ではあろう。
しかし、ものづくりを競きそい極きわめる企業きぎょうとして、なかなかできることではあるまい
▼中国ちゅうごくの魯迅ろじん(ろじん)の一節いっせつを思おもい出だす。
この大だい作家さっかは、希望きぼうとは、もともとあるものとも、ないものともいえず、地上ちじょうの道みちの
ようなものだと言いった。
そして「もともと地上ちじょうには道みちはない。
歩あるく人
ひとが多おおくなれば、それが道みちになるのだ」と結むすんだ
▼「究極きゅうきょくのエコカー」で走はしる人ひとが多おおくなれば、それが道みちになろう。
水素すいそステーションなどの整備せいびは市場しじょうが広ひろがるほど進すすめやすくなる。
石油せきゆから水素すいそへ主役しゅやくを代かえていく技術ぎじゅつは、「希望きぼう」に
なぞらえるのにふさわしい道みちに思おもわれる。