业务委托契约书
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業務委託契約書(商品販売業務委託契約書)作成のポイント
業務委託契約(代理商契約)とは
業務委託契約(代理商契約)とは、一定の商人からその営業の部類に属する取引の代理又は媒介の委託を受ける契約です。
つまり、商業使用人ではなくして、一定の商人のために平常その営業の部類に属する取引の代理又は媒介をなすものをいいます。
具体的には、株式会社である保険会社の代理店が典型的なものとしてあげられるでしょう。
代理商は特定の商人のために、その営業を補助する者である点で、不特定多数の商人のためにその営業を補助する問屋、仲立人と異なり、むしろ、商業使用人と類似しています。
代理商と商業使用人との具体的な区別はおおむね次のとおりです。
1.代理商は通常手数料を受けますが、商業使用人は俸給を受けること。
2.代理商は同時に数人のために補助することが少なくないが、商業使用人はほとんど常に一人の商人のために補助すること。
3.代理商は自己の営業所を有し、本人の営業所とは別個の場所であるが、商業使用人は営業主の営業所にて活動すること。
4.代理商は、自ら営業費を負担するが、商業使用人はこれを負担しない。
しかし、代理商は商業使用人のように、本人に対して従属関係に立つことはなく、本人の企業組織外にあって本人と委託関係に立つ点で商業使用人とは異なります。
代理商のうち、代理をなすものを締約代理商、媒介をなすものを媒介代理商と呼びます。
前者は、代理をなす点で問屋等の取次商と類似しますが、取次商が自己の名をもって取引をするのに対して、締約代理商は本人の名において取引をする点が相異します。
また、後者は他人のために商行為の媒介をする点で仲立人と類似しますが、仲立人は一般商人のために随時媒介するのに対して、媒介代理商は、一定の商人のために継続的に媒介する点が相異します。
代理商の権利義務とは
代理商と本人との関係は委任又は準委任にあたりますので、その権利義務についても契約や商法等特別法の規定ないし商習慣による定めのない限り民法の規定が適用されます。
1.通知義務
代理商が取引の代理又は媒介をなした場合には遅滞なく本人に対してその通知をしなければなりません。
ただし、当事者間の特約によってこの通知義務を免除することはできます。
2.競業避止義務
代理商は本人の許諾を受けなければ、自己若しくは第三者のために本人の営業の範囲に属する取引をなし、または同種の営業を目的とする会社の無限責任社員または取締役となることはできません。
代理商がこの規定に反してなした行為は有効ですが、本人は代理商のこの行為によって損害を受けた場合には、代理商に対して損害賠償請求ができるほか、代理商が自己のために取引をなした場合には介入権を行使することもできます。
3.報酬請求権
代理商は商人ですから、本人のためになした行為につき相当の報酬を請求することができます。
いわゆる手数料やコミッションといわれるもので、その代理や媒介した契約の金額に対する一定歩合によって定められることが多いようです。
4.留置権
代理商は別段の意思表示がないかぎり、取引の代理、媒介をなしたことによって生じた債権が弁済期にあるときは、その弁済を受けるまで本人のために占有する物または有価証券を留置することができます。
ただし、この留置権は代理商保護の目的で定められているものですから、当事者間の意思表示によってこの定めを排除することができます。
5.契約の解除
各当事者が契約の期間を定めていないときは、2ヶ月前に予告のうえ解除することができます。
また、契約期間の定めの有無を問わず、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、いつでも契約を解除することができます。
例えば、代理商の不誠実、本人の重要な債務不履行等があげられます。
商品販売業務委託契約書
甲株式会社(以下「甲」という。
)と乙株式会社(以下「乙」という。
)とは、甲の○○商品の販売につき、次のとおり販売業務委託契約を締結する。
第1条
甲は、○○商品の販売の業務を、乙に委託し、乙は、これを受諾する。
(注1)本条の「○○商品の販売の業務」とは、販売の仲介と販売の代理の双方を含ませる意味です。
第2条
乙が、甲の受諾者として、甲のためにする契約の方式は、乙の選択に委ねる。
(注2)乙は、甲の代理人として顧客と販売契約を締結するか、甲のため販売契約の仲介をし甲と顧客との間に直接販売契約を締結させるか選択できます。
第3条
乙が契約に使用する契約書の様式は、乙がこれを定める。
ただし、事前に、甲の閲覧に供しなければならない。
(注3)この記載の場合、乙が締結した契約の責任は直接甲が負わなければなりません。
2.契約内容によっては、乙は、契約にあたって、契約書を作成しないことがある。
そのときは、契約内容を直ちに、甲に通知するをもって足りる。
第4条
乙が、第三者と締結した契約の効力は、甲と、第三者の間に、直接に生じる。
2.前項の効力発生時期は、乙が第三者と、契約したときとする。
第5条
乙が、契約を締結したときは、直ちに、契約内容、契約相手方を、甲に告知しなければならない。
2.乙が、前項に定める手続を遅滞したために、甲が損害を受けたときは、その損害は乙の負担とする。
3.乙の第1項に定める通知以前に、契約につき生じた事項については、一切乙の責任において解決しなければならない。
(注4)この記載があっても、甲は第三者との関係では契約上の責任を免れることはできません。
第6条
乙は、毎月25日までに、翌月の代理業務の概略を、甲に通知しなければならない。
2.乙が前項に定める手続をしなかったときは、甲は乙の翌月の予定を当月と同額とみなすことができる。
3.乙が、第1項の手続を怠ったために甲に損害が生じたときは、その損害は、乙の負担とする。
第7条
乙は、契約の相手方から、契約に基づく代金を受領することができる。
2.乙が、代金を代理受領したときは、受領月末締切り、翌月10日までに、受領明細を付し甲に入金するものとする。
(注5)乙の甲への代金の引渡しは当然の義務ですが、後日の紛争を避けるため、引渡しの時期や方法等を定めておく方が良いでしょう。
第8条
乙は、契約成立額にしたがって、手数料を甲から受領することができる。
2.手数料の計算期間は、毎月1日から月末までとし、その額は契約成立額の合計額によるものとする。
3.手数料率は、次のとおりとし、前項の合計額に基づき計算した手数料を、甲は翌月10日に、計算書を添え、乙に対し、支払うものとする。
1,000万円まで○パーセント
1,000万円を超え5,000万円までの部分につき○パーセント
5,000万円を超える部分につき○パーセント
第9条
甲が乙の成立させた契約を履行することができなくなったときには、直ちに乙にその事実を通知し、甲、乙誠意をもって、事態の処理に当たるものとする。
ただし、債務不履行による損害賠償は、甲の負担とし、乙は、代替品の手配等により、相手方に対し、損害額を生じないように努力するものとする。
第10条
甲が、乙の成立させる契約につき、その本旨に従った履行のできないおそれを生じたときは、直ちに乙にその旨通知し契約の成立を止めさせることができる。
ただし、既に成立した契約については、前条による。
第11条
乙は、この契約上、甲に対し与えることあるべき損害金の保証として、金○○円を甲に預託する。
2.保証金には金利を付せず、この契約が終了したときに、こうは、前項に定める損害金があるときは、これを控除して、乙に返還する。
(注6)本契約は、乙に認められた権限が極めて広いものとなっているため、本項にて、乙に保証金を預託させて損害の担保とするとともに、心理的な強制を加えるものです。
第12条
この契約の有効期限は、平成○○年○月○日までとする。
2.期間満了1ヶ月前までに、相互に何らの申し出がないときは、この契約は、自動的に○か年延長されるものとし、以後も同様とする。
(注7)本条の解約の理由を特に相手方に告げる必要はありません。
第13条
甲又は乙は、この契約の有効期間中であっても6ヶ月前に予告して、この契約を解除することができる。
第14条
乙に次の事由の生じたときは、甲は、予告なくして、この契約を解除することができる。
1.乙が、甲に通知なく、第1条に定める委託業務を停止したとき。
2.乙が、第7条第2項に定める代金納入を怠ったとき。
3.乙が、他から、差押えを受け、破産の申し立てを受け、手形等の不渡事故を出したとき。
第15条
甲に次の事由の生じたときは、乙は、予告なくして、この契約を解除することができる。
1.甲が、第8条に定める手数料の支払いを遅滞したとき。
2.甲が、第4条により成立した契約を履行しなかったとき。
3.甲が、他から差押えを受け、破産の申し立てを受け、会社更生法の適用を申請し、又は、手形の不渡事故を生じたとき。
第16条
この契約各条項に定めのない事情が生じたとき、又は、その契約各条項の解釈につき疑義の生じたときは、甲乙各協議の上、誠意をもって解決する。
以上のとおり契約したので、本書2通を作成し、甲乙各記名押印の上、各1通を保有する。