日本经济
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8・個人消費の見方
いまや、個人消費は実体経済をつかむ上での重要なファクター
●重要味を増した個人消費動向
個人消費(民間最終消費)は、実質GDPの5~6割を占め、項目としては最大です。
従来、個人消費の動向は、非常に安定した傾向を示していました。景気後退の局面においても、変動が緩やかで、景気を下支えするような側面を持っていました。
ところが、90年代後半になると、その伸び率に、大きな幅が見られるようになったのです。またそれに影響され、GDPのブレも大きなものになっています。
いまや、実体経済における個人消費のウエートは特に大きく、景気分析を行う上で、きわめて重要なファクターといえるでしょう。
●可処分所得と消費性向
個人消費は、可処分所得と消費性向との積となります。
可処分所得とは、労働者の給与や利子、配当の受取りなどから税金、社会保険料などを差し引いったもののことです。簡単にいうと、消費に回すことができる所得といえます。
したがって、給与の増加や減税などで、可処分所得が増加すれば、個人消費にプラスの影響を及ぼすことになるわけです。また、名目可処分所得が横這いでも、物価が下がっていれば、実質的な可処分所得は増加、実質的な個人消費にはプラスです。
消費性向とは、可処分所得から消費に向けられる割合を指します。ただ、消費性向は様々な要因によって変化するため、その動向を見るには、いくつかの注意が必要です。
たとえば、雇用不安が高まり、消費マインドが冷え込めば、多くの場合、消費性は低下に向かうでしょう。しかし、可処分所得が低下しても、食料品などの必需品に対する支出を急激に抑制したり、スポーツクラブや英会話教室などのように、過去に結んだ支払契約をすぐに解約するわけにもいきません。このように、、いったん膨らんだ消費を修正するには、困難なケースが多いにです。
個人消費を捉える場合には、こうした可処分所得と消費性向について理解しておくことが必要です。
●関連統計の問題点
個人消費ヲ把握するにも、いろいろと問題点があります。それは、なかなか優れた、あルイは適切な個人消費関連指標が存在しないのです。
代表的な個人消費関連指標として「家計調査報告」がありますが、日本全国の約8000世帯を対象としたサンプル調査であるため、いわゆるサンプル・バイアスの存在がしばしば指摘されています。
たとえば、調査対象世帯で自動車などの購入が集中している場合、高額のために、実態以上に全体の数字が押し上げられることがあります。また、支出意欲が旺盛といわれる単身世帯が調査対象に含まれていないことも指摘されています。
その対策として、新統計の開始など、様々な大作が模索されていますが、問題が完全に解決されたとはいえないでしょう。ですから、様々関連統計を見ることが必要です。同時に、雇用・所得関連統計などの指標も合わせて見るといいでしょう。
9 設備投資の見方
現実には、設備投資資金の調達方法の違いが企業の資本コストに影響する
●望ましい資本ストックと投資
設備投資のGDPに占める比率は20%弱であり、個人消費に比べると小さいのですが、その変動は個人消費よりも大きく、景気循環においては重要な役割を果たしています。
設備投資の変動はどのようにして生まれるのでしょうか。その原因を説明する様々な設備投資理論の中でも特に重要なものとして、ジョルゲンソンによって開拓された「新古典派設備投資理論」があります。
これは、「設備投資とは現実の投資ストック(資本の蓄積)を、企業が望ましいと思う資本ストック水準に調整する過程で起こる」と考えるもので、具体的には、設備投資によって「得られる利得」と「失われるコスト」を比較して、ちょうど両者が同値となる点で望ましいストック水準が決まるとするものです。
このジョルゲンソンモデルでは、資本市場が完全であれば内部資金と外部資金が完全に代替的になり、投資資金の調達方法の違いは企業の資本コストに影響を及ぼさないという、モジリアニの定理が仮定されています。すなわち、設備投資の決定は、投資資金の調達方法から独立したものとしています。
● 流動性制約と投資
しかし最近の経済学では、企業金融の分野から「情報の非対称性」という概念を導入氏、内部資金戸の完全代替性を修正する動きがあります。
たとえば、貸し手にとって企業の実態(あるいは信用性)は把握しきれませんから、投資が成功しようと失敗しようと利子や元本の支払いは変わらず、成功による利益を享受できないが、失敗の場合は返済されない、といったリスクが生じる可能性が出てきます。特に、ハイリスク・ハイリターとなる大型の設備投資の場合は、お互いの利害が一致しないケースも多くなります。
そこで、貸し手には企業を監視する必要が生まれ、借り手には追加的な費用を織り込んだ貸出金利が設定されるようになります。これにより内部資金と外部資金のコストの差が生じ、外部資金が割高となります。つまり外部資金に投資資金の多くを依存する企業にとっては、設備投資の制約条件(流動性制約)となります。
● メインバンク制の功罪
ただ、今日の経済システムの中には、この流動性制約を最小限に止めるための工夫が見られます。その代表的なものが、メインバンク制です。
メインバンク制とは、特定の銀行が特定の企業に対し、中心となって融資を行うというシステムで、モニタリングの機能を果たすものです。
しかし、バブル期にはモニタリングが不十分なため、今日の不良債権問題を引き起こす要因になりましたし、銀行の待ち合い売却の動きが加速していることから、メインバンク制は揺らぎつつあります。
こうした状況は、企業が資金を十分に調達することができず、その投資が自己資金の量に制約されるという、流動性制約の問題をより強める結果となる懸念があります。
10.輸出変動の見方
短期的には価格弾力性が、長期的にはISバランスが貿易収支に影響する
● 短期的な輸出の変動
輸出と景気の関係は、それを短期で見るか長期で見るかで、考え方が変わってきます。
短期的に見ると、外国の日本製品(財)に対する輸入需要は、外国の生産活動、または総需要の動向と価格競争力に関係してきます。ある外国において、生産や総需要が増えれば、その国の輸入が活発になるでしょうし、また円高などによって、世界市場での日本製品の価格が下がれば、日本からの輸出が増えることになります。
輸出産業にとって、輸出の増加は収益増加につながり、設備投資や雇用者所得を増加させ、ひいては景気を押し上げていくことになります。
価値の高い製品を輸出することも、輸出促進のための重要な要素です。もし、価値の低いものしか輸出できないとすれば、そのような製品はどの国でも生産できますから、熾烈な価格競争に残れません。
一般に、価格が1%変化したとき、輸出(輸入)が何%変化するかを示した比率を価格弾力性といいます。この数値は、輸出入品の価値の高低によって変化するものです。低付加価値品なら価格競争が激化し、価格変動が大きく(価格弾力性が高く)なり、高付加価値品なら、競争相手も尐なく、価格変動は小さく(価格弾力性が低く)なります。 なお、日本経済企画庁(現内閣府)の調査によれば、80年代以前の価格弾力性は1%強でしたが、90年代に入ると0.7%まで低下しています。それだけ日本の輸出品が高付加価値化していることを物語っています。
また、価格弾力性が低いと、為替レートが変動した場合、貿易収支に影響を及ぼします。輸出の場合ですと、輸出品の価格は為替レートの変動によって直ちに変化しますが、日本でしか生産できないような製品の輸出数量が変化するには、時間がかかります。
1988年8月は、円安から円高に転じた時期でしたが、しばらくは輸出数量はそれほど減りませんでした。また輸出企業も、稼働率アップを目指して生産を増加しました。
いずれは貿易収支の黒字幅は減っていくのですが、このように一時的に為替レートを逆の動きが現れることを、Jカーブ現象(逆Jカーブ現象)といいます。
● 中長期的な貿易収支の動向
輸出の変動を中長期的に見ると、国内外のISバランスが、輸出や貿易収支を決める
と考えられます。
ISバランスとは、一国の貯蓄と投資差額のかとで、完全雇用状態での貯蓄率、投資率の動向に依存します。もし、高齢化により貯蓄率が低下すると実質金利が上昇し、実質為替レートが増価、貿易収支は縮小することになります。また、生産性向上など大きな変化が生じた場合は、実質金利が低下、実質為替レートが減価、貿易収支は拡大することになります。
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